新体操選手の腰は、モモの筋肉の柔軟性で守る!?

みなさん、ケアは順調でしょうか?

理学療法士というのは、先人が作り上げてきた様々な検査方法を頭に入れて、お子様に必要そうな検査はどれか、頭から引き出して、選んで、お子様の身体をチェックしています。

さて、トライアルや定期身体チェックの時にお写真を送っていただきますが、この写真を送っていただいています。

18は腸腰筋というお腹の奥にある筋肉の柔軟性を確認しています。
19はモモの側面を走る大腿筋膜張筋、20・21は大腿四頭筋というモモの前に走る筋肉の柔軟性を確認しています。

では、理学療法士は、この1つ1つの筋肉の柔軟性を確認して、いったいお子様の動きにどう関連づけているのでしょうか?

船橋整形外科理学診療部の澤野靖之さんが、
腰部に疼痛を有する国体出場レベルの高校女子新体操選手 9 人と、運動習慣の無い腰部に疼痛を有する女性 9 人を対象に、新体操選手の柔軟性と腰椎可動性についての研究をしました。


その結果、新体操選手をケアする上で、大腿四頭筋・腸腰筋の大腿前方筋群の柔軟性向上を計ることが、腰部へのストレ スを軽減し、体幹後屈時の疼痛軽減へとつながるのではないかと、考察しています。

新体操選手が、体幹を後ろに反らすとき、一般の人よりも、腰の骨を動かすことで、その反りを大きくしている傾向にあり、やはり腰痛の人が多いです。
なので、モモの前に走る筋肉(大腿四頭筋)と、お腹の奥にある筋肉(腸腰筋)を柔軟にして、腰の骨への負担を減らしましょうと言っています。

理学療法士は、このような論文結果などを元に、

じゃあ、本当にこの子の腰が反り過ぎなのは、大腿四頭筋や腸腰筋が原因なのか
それとも、バランスが悪くて、もっと他の部分を補おうとして体幹を反らせているのか

これを追求するために、1つ1つの筋肉の柔軟性を確かめ、ここが柔軟なら、他の選択肢を探します。

ある動作のエラーの原因は1つではないです。
そして、理学療法士といえども、一瞬で、何が原因か見抜くことはできません。

今までの経験と、知識の引き出し、論文からの情報をもとに消去法のように、想定されるあらゆる原因の中から正解を導くのです。

では、新体操選手に大腿四頭筋と腸腰筋の柔軟性が必要とわかったので、そのテキスト動画の検索の仕方をお伝えします。

まず、大腿四頭筋は【膝関節・ストレッチ】の「膝関節屈曲」という動画です。

腸腰筋は【股関節・ストレッチ】の「股関節伸展」という動画です。
股関節伸展は、テープを付けてする「股関節伸展テープ」というものもあるのですが、これは皮膚へのアプローチで、腸腰筋の柔軟性を引き出すものとは別ですので、「股関節伸展」というものもやってみてくださいね。

しかしながら、腸腰筋という筋肉の伸ばしすぎは、股関節の安定性を阻害してしまうこともあります。

担当の理学療法士の提案をよくお聞きになって実践に取り入れてみてください!